失敗には良いことがある
今日は、何かを始めて、続けて行くときに必ず直面する
失敗や困難
についてです。
失敗から多くを学び、どんどん前に進んでいく
というタイプの人がいます。
一方で、
- できればあまり失敗はしたくない
- 間違いを指摘されたくない
- 弱点を見せたくない
など、失敗をネガティブに捉えている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、人生に甚大な影響を与える失敗以外の、多くの失敗は、
- ポジティブなものであり
- たくさん経験したほうがよい
という捉え方ができる、ということを話しています。
失敗を恐れる理由
失敗に対して積極的になりにくいのは、
失敗に対して大きな恐れがある
からだと思います。
失敗に対して過度な恐怖を感じる理由として、
- 完璧主義
- 減点方式の考え方
など、色々な背景があると言われています。
私は、これらの根底に、
一般的なテストの形式で考えることに慣れている、ことがあると思います。
0点~100点、までの採点方式が身についている、ということですね。
完璧を目指すのは100点を目指しているからです。
ここには、100点という完璧がある、という前提があります。
また、減点方式なのは100点に20点及ばない80点、という考え方が容易にできるからです。
さらに、評価軸が自分とは別のところにあるということも、失敗を重く考える一因になっていると思います。
自分の目的や評価軸が定まっていないと、失敗したときのフィードバックやアドバイス、指摘事項を、活かして目的に向かうことが、難しいのではないでしょうか。
上記の100点を目指す例では、
100点を取るという評価が設定されているということです。
この、本来は
- 仮の評価軸
- 他の目的を達成するための手段
である100点目標が、目的になっていることが少なくないです。
この状態では、100点を取れない場合に、それを失敗と捉えがちです。
もちろん、さらに上位の目的との関係を意識しているのであれば、よいと思います。
例えば、
- 自分は、この資格を取りたいから、資格試験で100点を取りたい
- この大学に合格したいから、この科目で100点を取る
という自分自身の目的と結びついている場合などです。
実験するということ
多くの失敗は、改善のためのヒントです。
失敗を恐れて、うまく失敗を回避し続けていると、それだけ改善のチャンスを失います。
変化の激しい時に、改善できない=現状維持、という状態にいると、
いずれ、大きな困難に合った時に、対応しにくくなるのではないでしょうか。
失敗するのは、試行錯誤、トライアル・アンド・エラーなど様々な言い方をされますが、
つまり
実験をしている
ということです。
私たちは小学校や中学校で、理科の実験をします。
実験を通して、
- 仮説(きっとこれでうまくいく)
- 実験(行動してみる)
- 結果(うまくいかない=失敗する)
- 検証(どうしてうまくいかないのか)
- 改善(仮説を修正)
- 再実験(行動してみる)
を繰り返します。そして、最後に、うまくいったという結果=成功
を得ることができます。
そこで、はじめて
- うまくいったときの仮説
- 成功結果
の組み合わせを知ることができます。最初の仮説で自分が望んでいる結果が得られることはあまりありません。
現実の世界では、これほど、単純ではありませんが、実験の過程を活用して、失敗を活かすことができます。
ポイントは4つです。
- 仮説を持っておく
- 行動=実験する
- 結果を検証する(なぜうまくいかなかったのか)
- 別の行動をする(新しい仮説に基づいて行動する)
4つに取り組むために、
失敗を過度に恐れない
ということがとても重要です。
誰でも、失敗したらどうしようか、と多少ネガティブに考えることはあります。
しかし、あまり失敗を深刻に捉えていると、そもそも行動=実験できないということになります。
これは、非常に危うい状態です。
- 行動できない
- 結果を検証できない
- その場に留まり続ける
ということになります。
つまり、うまく行くと確信していることしか行動しない
ということです。
私は、これは、以下の2点からお勧めしていません。
- 積極的な成長が見込めない
- そもそも、うまくいくと確信していることの中に、「そうとも言えないものが」が混ざっている
1つ目は、ほぼ達成できる見込みの範囲でしか行動しないので、
- 自分の現時点での限界を把握
- 自分のできないことを、徐々にできることにしていく
という挑戦が難しくなります。その結果、どうしても成長スピードは遅くなってしまいます。
2つ目は、変化の激しい時代に
うまく行くと確信していること、に頼るのは安全と言えないからです。
2020年の状況は言うまでもなく、
学校教育、働き方、人生設計での前提が大きく揺らいでいます。
安定した社会を過ごしていると不思議なもので、
人類はずっと安定して暮らしてきた
と感じるようになりますが、80年前は、世界中で戦争をしていました。安定とはほど遠かったわけです。しかし一度、経済成長を経験し、比較的安定な枠組みを作ると、今後、10年、50年、100年この状態が続くような錯覚に陥ることがあります。
状況が変化していく中で、
うまくいくと確信している範囲でのみ行動する、という方針は、柔軟性を欠いている。そのことを2020年、多くの人が知ることになったのではないでしょうか。
不安だからこそ、仮説を持ち
- 実験=行動
- 失敗
- 改善
を繰り返す、ことが重要です。
失敗を活用するために
とはいっても、失敗に紐づくネガティブなイメージが拭えない、という人も多いと思います。ここでは失敗を有効に使うコツを紹介します。
「活かせるポイントはないか」に集中
失敗した、という事実にだけ目が行くと、
- 他の人から指摘されたという事実
- 自分の力不足
ということに意識が集中します。
失敗から、学べることはないか?に意識を向けましょう。
- 他者からのフィードバック
- 自分ができなかったこと
を、分析して、次に取り組む方法をどう変えるか=仮説を修正
に気持ちを向けると、失敗を、次の行動のための改善に繋げられます。
私は、毎回できている訳ではないですが、失敗して、何か指摘されたときにそれを
- フィードバック
- アドバイス
として捉えるように意識しています。
例えば、「なんで、確認せずに、作業に取り掛かったのか」という指摘があったとします。
その場合、
- 確認作業に関する自分と周囲の前提にギャップがある
- そこを埋めるには、どうすればいいか
- 次回は「判断に迷ったらまず確認」という方針にする
と確認、決定しておく、といった形です。
ここで、次に「確認しすぎだ」というフィードバックがあれば、
また、それをもとに自分の方針を調整できます。
整理された上記の流れを読むと当たり前のことなのですが、
指摘を受けたくないなどの感情的な理由から、意外とフィードバックを素直に活かす
のが難しいことがあります。
ときには、フィードバックやアドバイスにならない批判をしてくる人もいますが、
そこにあまり目がいかないように心掛けています。
仮説が無かったときは、検証ではなく、振り返る
行動と失敗の前に、仮説をはっきりと意識していなかった、ということはあり得ます。
仮説なしで、行動、失敗した場合でも、
行動する前に、自分はどんなことを考えていたか。その
- 前提
- 状況
- 取り組む姿勢
などを、思い返すことで、無意識の仮説が理解できることがあります。
時間を空ける
自分自身にとって、失敗が大きいもの、であると感じられる場合、すぐに
「では、改善できることを探そう」
という気持ちを持つことは、難しいかもしれません。
そんな場合は、
しばらく時間を置いて、少し冷静にその失敗を見ることができるようになったら、改善点を見つける。
というのも有効です。
失敗が大きければ大きいほど、失敗の直後には、改善できるポイント以外に注目しがちです。
その状態だと、
失敗は、〇〇のせいだ。
と決めつけがちです。
〇〇には、環境、他の人、運などいろいろなことが入ると思いますが、
自分が改善可能なことに目を向けないと、どうしても改善の幅が小さくなってしまいます。
失敗=実験をしよう
ここでは
- いかにたくさん失敗して
- そこから学び
- 修正して
- また行動(実験)
- さらに別の失敗
を繰り返す。
そして、うまくいく=成功する
考え方を紹介しました。
失敗を気にして、動けない人は、
「まず行動してみて、フィードバックをもらい、改善していく」
くらいの軽い気持ちで、進みましょう。
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