スクリプト言語
スクリプト言語というのは、
- プログラミングの独自の実行環境を持つ
- 少ない行数でプログラムを記述できることが多い
- REPLを持つものが多い
- 一般的に学習しやすいと言われている
などの特徴があるプログラミング言語の総称です。
コンパイラ言語であるC言語は、人間がソースコードを書き、コンパイルして実行ファイルを作成します。基本的には、実行ファイルは色々な環境で実行できます。一方でコンパイラ言語ではない、そしてスクリプト言語と言われるPythonでは、基本的にはPythonが動作する環境でのみプログラムが動きます。
同様の処理を書いたC言語とPythonのコードを比べると、基本的にPythonの方が少ない記述量で表現できます。このようにスクリプト言語は少ない行数でプログラムを記述できることが多いです。
REPL(Read–eval–print loop)というのは、簡単に言うと、プログラムを書く人とコンピュータが対話的にプログラミングコードを実行していく仕組みのことです。例えば、REPLを持つPythonでは、1行何かコードを書いて → 実行 → 実行結果を確認 → 再度1行何か書いて、、、と対話的にプログラミングしていくことが可能です。
以上のような特徴を持つスクリプト言語は、一般的に取り組みやすいと言われています。
スクリプト言語というのは総称であり、インタプリタ、コンパイラとは違う視点からの分類で、厳密な定義は無いようです。
実行速度が遅くなりがち、といったデメリットもあるとされていますが、気軽に試せるという点では、プログラミング学習とは相性が良いです。
今日は、そんな比較的取り組みやすいスクリプト言語をいくつか紹介します。
これまで色々な場面で紹介してきたPython以外の、
- PowerShell
- Shell scripts
- Ruby
- TypeScript
です。
PowerShell
PowerShellは、Microsoftが開発したスクリプト言語です。
WindowsのPCを使用している人は、すぐに試すことができるスクリプト言語です。基本的にWindowsのPCには標準搭載されています。
- Windowsのスタートメニューの検索ウィンドウを開く
- PowerShellと検索
- Windows PowerShellを選択
すると、PowerShellの対話モード(REPL)を使用できます。
Windowsに搭載されていることから分かるように、PowerShellを活用すると
- Windowsのファイル、フォルダ操作を自動で行える
- テキスト処理
- Microsoft Officeと組み合わせて使う
などができます。簡単に言えば、WindowsのPC操作を効率的に行えるようになります。
公式サイトに
- 始め方
- サンプルコード
などがあります。
また、
などの初学者向けWebサイトが参考になります。
Shell scripts
Shell scriptsというと、PowerShellを含むいくつかのスクリプト言語を指すこともあるのですが、ここでは
などの、UNIXシェルのことです。
UNIXシェルという意味でのShell scriptsは、
- BashやZshなどいくつか種類がある
- UNIX系のシステムで標準で搭載されている
などの特徴を持っています。
そのため、WindowsのPCを使っている人がPowerShellを簡単に試せるように、macOSやLinuxのPCを使っている人は、Shell scriptsをすぐに試すことができます。例えば、macOSの場合、多くは
- 移動 → アプリケーション から
- ターミナルと検索
- ターミナルを選択
すると、Shell scriptsを試すことができます。
自分が今使用しているShell scriptsの種類を確認するには、echo $0 と入力します。
zshと返ってくれば、Z shellを使っていることが分かります。
BashやZsh、cshといった種類により、多少の差異はありますが、Shell scriptsという全体で見たときに、歴史は古く、活用できるリソースは膨大です。
- シェルスクリプト入門 書き方のまとめ
- シェルスクリプト入門 (ドットインストール)
などが参考になります。
Zshについては、紹介マニアMoinMoin Zshにリソースがまとめられています。
PowerShellがWindowsのファイル、フォルダ操作、Officeソフトとの連携など、作業効率を良くするためのプログラミングに活用できるように、Shell scriptsは、UNIX系のシステムでの作業効率を改善することができます。
macOSやLinuxを使用する機会のある人は、Shell scriptsにはすぐに試すスクリプト言語として選択肢になると思います。
Ruby
Rubyは、まつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語です。
- 書きやすいプログラミング言語として人気
- Ruby on Railsという広く使われているWebアプリケーションフレームワークがある
などの特徴があります。
日本語のリソースが充実していることから、スクリプト言語を試すという時に選択肢になると思います。
公式サイトから、
- Webブラウザで試せるPlayground
- 各種ドキュメント
を確認できます。
その他には、ドットインストールの
などは、参考になるかと思います。
Progateにも、RubyとRuby on Rails5のコースがあります。
TypeScript
TypeScriptは、Microsoftが開発したプログラミング言語です。2012年に登場したTypeScriptは、他のスクリプト言語と比べると歴史は浅いですが、すでに人気のプログラミング言語の一つです。
StackOverflowの2020年開発者向け調査では、言語使用ランキングで9位です。好まれる言語ランキングではRustに次ぐ2位になっています。
別の記事で紹介したように、TypeScriptはJavaScripのスーパーセットです。
JavaScripの豊富なリソースを活用することができます。
- WebブラウザでためすことができるPlayground
- 公式のハンドブック
が参考になります。
他にも、
- TypeScript Deep Dive 日本語版
- TypeScript入門 (ドットインストール)
などが教材になるかと思います。
JavaScripといったフロントエンド周辺に興味があるという人には、スクリプト言語としてTypeScriptが選択肢の一つになると思います。
まずは試したいと思った時のスクリプト言語
プログラミング言語には色々なものがあります。
その中でも、スクリプト言語は、
- 比較的取り組みやすい
- 理解しやすい
- アプリケーションの作成、完成といった成果が見えるまでが早い
というような、初学者向きの言語が多いとされています。
プログラミング言語には向き不向きがある、という点もありますので、まずは気軽に試してみて
- 自分が面白いと感じる
- このプログラミング言語で何か作れないか
と自分にフィットする言語を見つけてみるのはいかがでしょうか。
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